そんな自分のせいで、諒太も怒られた。
惨めが覆うあたしは、諒太の腕を掴んで静かに教室を出たんだ。
―――――………
無言の空気。
こんなの、前には無かったのに………。
合併先の学校から転入してきた中で、一番輝いていた。
一人だけ明らかに違って女子も男子もみんなそこに集まった。
最初は、一目惚れ。
感じたことのない胸のトキメキに、運命というものを信じたくらい。
それでも、片想いだった。
向こうには男子がいつも一緒にいる。
また、彼の親友であり幼なじみの優香ちゃんが近づく女子から守っていた。
クラスが違ってなかったのが奇跡で、
班が一緒になったりすることなんてなく…
見てることしか、できなかったんだ……。
そんなあたしたちのきっかけは、移動教室だった。
登山で怪我をしたあたしに、彼は優しくしゃがみ込む。
「平気か?」
「あ、うん……」
右手に掴まり立ち上がる。
そしてあたしは、クールさ漂う中にある温かさに気づいた。
(好き……)
今にも口からこぼれ落ちそうになる。
高鳴る鼓動を抑えこみながら、あたしは繋がる手に力を加えた。
離したくなんて……なかった。
彼も拒むことなくあたしを受け入れて歩く。
嬉しくてたまらない。
(あたしだけの……村野くん)
そう思えていた。

![100日愛 [短]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.794/img/book/genre1.png)