だけど、ごめん……舞。
あたしに気を遣ってくれたことは嬉しいけど、
今は――そんなの――どうでもいいの……
あたしの頭を支配するのは、
ただの飾り付けの言葉では収まりきらない“幼なじみ”。
幼なじみは、恋愛対象外……
もしもそうなら……
『諒太』と呼ぶ
あの子は、―――カノジョ
あたしは、―――オサナナジミで恋愛タイショウガイ。
なんだかもう、馬鹿らしくて。
今まであいつが好きだった自分が惨めで仕方なく思えた。
「…ホントにもう、参っちゃうよ」
「真白?」
薄ら笑いを浮かべるあたし。
「海来ちゃんと…あたしも話したよ」
「えっ?」
「友達になった」
「真白、平気なの?」
「何が?」
って、自分で言っててまた面白かった。
(何が?ってなんだよ)
また強がってるあたし。
「気にして、ないの?」
「大丈夫」
だってあたしは、強がりだから。
殻を作ることでしか自分を守れないんだと悟った。
それなら、それで強くなればいいって思ったんだ。
「さっ、後でもう一回くらい挨拶に行こうかな」
そう笑いかけて、舞たちを座席へと促した。