ちぐはぐ遠距離恋愛




一人廊下に出て図書室へ。

あたしは元々本好きだから例え誰がいなくても構わない。

この空間が好き。


カウンターに座ると、疎らに散っていたうちの何人かがカウンターへ。


「先輩遅いですよ」


ここで知り合った後輩や先輩も多い。

中には引っ込み思案で、あたしとしか喋れないなんて子もいたりする。


「ごめん。ちょっとごった返してて…」

「先輩はあたしなんかと違って人気者ですからね」

「またそんなこと言って…忘れたの?」

「他人ではなく自分を見つめる!自分をおとしめない!……ちゃんと覚えてますよ」

「じゃあ実行しろよ?」

「はーい」

「よし。返却完了だ」


後輩は嬉しそうに本を受け取る。

何だかんだで、ここに集まって来る子はいい子ばかりだ。

みんな、不器用なだけ。

あたしと、そっくりなだけ。


「あ、そこ閉めて?」

「はーい」


扉の近くにいた後輩に声を駆けて閉めてもらおうとした。

ガラガラッと木の音を立てて廊下の先が見えなくなっていく。

図書室は三年生の教室の前だから騒がしい。


「ありがとう。やっぱり図書室は静かにするものだからね」


トンッと軽い音。
扉は完全にしまったようだ。