ちぐはぐ遠距離恋愛




でも、やっぱり……



「えーっ、皆知ってるようだけど。今日から隣のクラスに新しく転入生が来ました」


朝のHR。

先生が転入生のことを口にした。


「名前は……」


バッ――!!

あたしは耳を塞ぐ。

一番後ろの席だから、きつくきつく指を突っ込めば聞き逃すことができた。



こうしてあたしは………





結局、現実から逃げ出したんだ。





休み時間は皆転入生に会いに行ってしまった。

あたしはというと、気を遣ってくれた依弥たちと一緒に過ごしながら

転入生の情報は一ミリも耳に入れようとしなかった。


「真白、大丈夫?」

「まだ言ってる。平気だって」

「本当?」

「うん」

「じゃあ、あたしたちも友達になってきていい?」




ドクン…っ



心臓が大きく揺れた。

本当は、行かないでほしい。

だって平気じゃないもの…。

でも、そんな我が儘言ってられない。


あたしは明るく口にする。


「行ってらっしゃい!」

「真白は?」

「あ、たしは図書委員があるから!」


そう伝えると、舞いたちは頷いて教室を出ていく。


嘘ではない。

今日は木曜日だから、あたしの当番だ。