ちぐはぐ遠距離恋愛





腋の下からだした体温計からはまだ熱があることが分かった。



「うるさくしちゃてごめんね…?ゆっくり寝なさい。わたしはリビングにいるから」

「ありがとう」



智春さんは微笑んで部屋から出て行った。



あたしは大きく伸びをするともう一度布団に潜った。

温かい空気が体を包み込んでまた眠りに溶ける。



ただ、




(どうか、また変な夢を見ませんように)



と願いながらだけど……。





起きたときには外が暗かった。



「7時…」



枕元に携帯を戻す。


まだ頭の痛みはとれていなくて、あたしは少し身嗜みを整えてからベッドをたった。




(智春さん、帰っちゃったかな?)




そう思いながらリビングに向かう、途中だった――。

バキューン!!

「うわ!」



ゲーム音とともに凌の悔しそうな声が聞こえた。



ゴンッ!!



あまりにも大きく聞こえたもんだからあたしはびっくりして壁にぶつかった。



「いっ…たぁ…」



頭をさすっていたら、扉があいた。