目が合うと一瞬不可解な顔をしたけどすぐに戻った。
二年前の……あたしの隣にいた諒太の顔に

そうして思うのは、
『二年間は、長かった』ってこと。


一人異国の地に投入されて面白くもなんともない一日を過ごしていた。

気がつけば気を遣う友達ばかりが周りにいて…。

抜け出したくて、仕方がなかった。


でも、

やっとまた一緒になれる。
隣にいれる。




そう、思ったのに。


クラスは違って、身長も雲泥の差が開いていた。

一人になりはじめたあたしを、どん底に突き落としたのは……






噂だと信じてきた知らない女の子だった。






あたしの知り合いはいつものグループだけで、他の人は諒太たちと二年間同じだった学校の生徒が比較的多かった。

そこの学校から流れてきた“噂”。

諒太は地元でも結構上の方に格付けされるイケメン男子だったりする。

そのため、向こうの転入先の学校でも直ちに女子が群がったらしい。

あたしのこともあってか、由花子が『村野はあたしの親友であり幼なじみだから』と初っ端から嘘をついてまで守ってくれてたんだけど……。

諒太は由花子の努力を水の泡にする馬鹿になった。

五・六年の男子はそろそろやんちゃになりはじめる頃。

ゲーセンにハマったり、児童館に溜まったり、反抗期になったりして…。

とにかく迷惑をかけることをやりまくる時期らしい。


智春さんも疲れた顔をしていて、あたしが注意したかったけど…

やっぱり学校が違うと合うのも難しい。

クラブ活動は同じく一ヶ月に二回だったけど、あたしの場合ブラスバンドに入っちゃったもんだから……
毎日に及ぶ練習でそれどころじゃなかったんだ。