ちぐはぐ遠距離恋愛




あたしは後ろを向く。

そこに立っていたのは、



悪魔のような笑みを浮かべたショートヘアの女子



「はる…な…」



――――だった。


「仲良く帰っ……」


山内が言葉を繰り返す。


「そう、仲良く」


あたしは遥菜の顔を直視できなかった。

えくぼが怖い。


「手ぇ、つないでたんだもんね?」

「な゛……っ?!」


どうしてそれを……!!


あたしたちは顔を見合わせる。

もちろん、あたしと村野で。


「手なんか、つないでない!」

「そうだ。俺達はただ帰り道が一緒だっただけで」

「嘘。あたし見たもん、この目で」

「は?」

「恋人つなぎではなかったけど、ちゃんと繋いでた」

「それはだから……っ」

「幼なじみって、そんなこともできるの?」

「え?」

「幼なじみは、怖くならないの?」

「あんた何言って「他の男は怖いのに、幼なじみのことは違うの?!」


(他の男は…怖いのに?)


どうして、あんたがそれを知ってるの?

あたしが感じたのを伝えたのは、村野にだけ、で………



「村、野……?」


あんたが……っ


「あんたが教えたの?」

「は?」

「村野が、それを?」

「んなわけねぇだろ」

「じゃあ、何で……?」