たぶん、こいつらは何も悪くない。
変わってもいない。
あたしが変なんだよね?
だって、こいつらのことが……
(怖い……)
そう思っているのだから―――
「あ、うん。へ、いき…」
戸惑いながら、
後ずさりながら。
あたしは鎌瀬に返答する。
背中に鳥肌がたちはじめてるのを感じてあたしは口を閉じる。
「き、昨日は変なことに巻き込んでごめんね?……あの、誰にも言わなくていいからっ。……だから、その…バイバイ!!」
自分でも何を言ってるのかわかんない。
そんな状態であたしは依弥の袖ごと引っ張ってロッカー室に隠れるように入った。
「真白?」
依弥があたしの顔を覗き込む。
「昨日、なんかあったの?」
「………っ」
口が震える。
喋りだそうとして、気づいた。
あたし、
何もわかんない―――
覚えているのは、―――あの気持ちの悪い感覚だけ。
(そうだ、鎌瀬たちに聞こうとしてたんだ)
ハッと思い出すとあたしはロッカー室を出た。

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