ちぐはぐ遠距離恋愛




でも村野が動く気配はいっこうにない。

それに、あたしの制服を男子が掴んでいた。


「なに…?」

「あんさ、」


先に口を開いたのは村野だった。

鋭い目をして男子を睨みつける。

でも口角は右上にあがっていて、まるで馬鹿にしたような顔だった。


「もしも俺らがこれから付き合うことになったらどうすんの?」

「は……?」


あたしに言われたわけじゃないけど、思わず声を出してしまった。


「あんた何言っ「そしたら…」


決して小さくはない声に振り向く。





「そしたら、何が何でも横取りします」

「ほう…取れるもんなら取ってみろよ」


(な、何言ってんだこの人達!誰を取り合うって?だいたいあたしは誰のものでもない!!)


「じゃあ大野」


村野があたしの方を向いた。




「とりあえず付き合ってみるか?」





「はぁあぁぁあ?!?!」






静か過ぎる住宅街にあたしだけの声が響く。



「じ、冗談じゃないわよ!!!」