ちぐはぐ遠距離恋愛




言いようのない空気が立ち込める。

二人の視線は混ざり合って、今にも火花が散りそう。

それをあたしは固唾をのんで見ていた。


「村野先輩は…」


ゆっくり口を開く男子。

(早く言ってよ!!)

じりじりしてきたあたしは村野を握る手で村野の制服を引っ張る。


「おい、伸びんだけど」

「あっ、ごめん」


引っ張るのは止めた。

手は離さないけど。


「大野先輩…真白先輩のなんなんですか?」

「「は??」」


二人して同じ反応をしてしまった。


「別に…?」

「じゃあ何で一緒に帰ってるんですか?」

「そ、れは……っ「途中で会ったから。それだけだ」


言葉が詰まるあたしをフォローするように村野が口を挟む。


「……付き合ってる、とかじゃないんですか?」

「「はぁ??」」


またもハモるあたしたちに男子は肩を震わせた。


「「こいつが…」」


顔を見合わせ、お互いに指を指す。


「あたしと」
「俺と?」


想像する間もない。

すぐにあたしたちは顔を逸らして男子の方を向いた。


「「ないないないない!!」」


(断っじてそれはない!!)


手を横に振るあたしたちに男子は顔をしかめる。