村野がいたら、邪魔……?
「そう、なの?」
「えっと、まぁ話しにくいですけど…」
「そっか……」
「だとよ。俺帰るから」
「や、やだ!!」
子供のような声を上げてあたしは必死に村野の制服を掴む。
「何だよ」
「だって、あんたがいなくなったらあたしこの子こと二人きりだよ?!」
「だから?」
「……怖いんだもん…」
あたしが村野にこんなこと言うなんて、一生無いと思ってた。
だって弱みを握られたらおしまい。
いつまでもいつまでもいじくられることになるんだから。
でも、今のあたしにはそんなこと関係なかった。
とにかく、誰かにいてほしい。
……と言っても、村野以外の男子は無理だ。
立って、いられなさそうで――――
眉を上にあげて、あたしは精一杯困っている顔をする。
「はぁ………」
ため息を漏らす村野を見て、あたしは心の中でガッツポーズをする。
だって、呆れている証だよ!
村野が『仕方ない』と思っているってことなんだ。
要するに、一緒にいてくれる。
「俺がいてもいいのか?」
「じゃあ、一つだけ質問していいですか?」
村野に向かって一歩踏み出した男子。
それにつられるようにあたしは村野を握る力を強める。

![100日愛 [短]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.790/img/book/genre1.png)