ちぐはぐ遠距離恋愛




村野がいたら、邪魔……?


「そう、なの?」

「えっと、まぁ話しにくいですけど…」

「そっか……」

「だとよ。俺帰るから」

「や、やだ!!」


子供のような声を上げてあたしは必死に村野の制服を掴む。


「何だよ」

「だって、あんたがいなくなったらあたしこの子こと二人きりだよ?!」

「だから?」

「……怖いんだもん…」



あたしが村野にこんなこと言うなんて、一生無いと思ってた。

だって弱みを握られたらおしまい。
いつまでもいつまでもいじくられることになるんだから。


でも、今のあたしにはそんなこと関係なかった。

とにかく、誰かにいてほしい。
……と言っても、村野以外の男子は無理だ。

立って、いられなさそうで――――


眉を上にあげて、あたしは精一杯困っている顔をする。



「はぁ………」


ため息を漏らす村野を見て、あたしは心の中でガッツポーズをする。

だって、呆れている証だよ!

村野が『仕方ない』と思っているってことなんだ。

要するに、一緒にいてくれる。


「俺がいてもいいのか?」

「じゃあ、一つだけ質問していいですか?」


村野に向かって一歩踏み出した男子。

それにつられるようにあたしは村野を握る力を強める。