ちぐはぐ遠距離恋愛




あたしの質問に勢いよく頷く彼を見て、
村野じゃなくてどうやらあたしに用件があることが分かった。


「何、かな?」

「ちょ、っとお話、が…」


もごもごしたような喋り方。

(緊張してるの?)


あたしが覗き込むと体を反らした。


「やっ!あ、あの!」

「は?顔赤いけど大丈夫?熱あんじゃない?」


あたしの質問にブンブンと首を振る。


「…じゃ、俺先行ってるわ」

「えっ?」


村野があたしの隣から離れようとする。

ここで村野がいなくなったら、
あたしとこの男子の二人きりになる。




男子……と……、あたし―――だけ――――



そう気付いた瞬間、あたしの手はサッと伸びて村野の腕を掴んだ。


「あ?」


振り向く村野。


「行か、ないで…」

「は?」

「いいから、ここにいて?」


(あたしの隣じゃなくてもいい。だけど、そばにはいてほしい。
―――この人と二人きりにはなりたくない)


何か分からないけど、ものすごく不安だった。


「君も、別にこいつがいても良いよね?」


焦りを隠すように男子に質問する。

(頷いて!!)


そんな風に願うあたしの横で村野が口を開いた。


「俺がいたら、邪魔だろ?」