噂………か。
「は、はは…」
(どーりで学校中の的になっているわけね)
「で、今日はどこ行くんだ?」
「えっ?あぁ空手の道場に顔だそうと思って…」
「あぁ、あのダンディーな感じのね」
あたしの空手の師範は黒髭を顎からサンタのように生やし、ガッチリした肉体をお持ちしている。
あれでも世界的に有名らしいんだが、あたしにはわかりません。
まぁ大会を見に来てくれたこともある村野は知ってる。
「あぁそうそう。なんなら一緒に来る?」
「行かねーよ」
「あっそっ」
口を尖らしながら曲がり角を曲がろうとしたくらいに、人にぶつかった。
「「いっ…た」」
声が揃ったのを確認しながら顔を上げる。
うちの学校の生徒だった。
あたしよりは背が高いけど、村野と比べるとそうでもない。
顔やだらけていない服装からして一年生だろう。
「あの!」
話しかけて来たけど…もちろんあたしは知らない。
右上に顔を上げて村野を見る。
「知り合い?」
「いや」
あたしはもう一度視線を戻す。
「あ、たし?」
目が合った。

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