「勝手に成長しやがって……!!バーカ」
「お前なぁ、黙って聞いてりゃ……ぁ」
村野の声が小さくなって、視線が一カ所に止まる。
(え…?)
「な、に?」
あたしの声に目を見開いて、そのまま横を向いた。
「どうし……あ…!まさか!見てたの?!」
急いで衿元のボタンを閉めた。
「み、てねぇ」
「相変わらず嘘つくの下手くそ!その目をあわせないとこ治ってない!
最低最悪!!」
「お前が閉めてねぇのがわりいんだろ?」
「はぁ?意味わかんない!」
「ぐだぐだうるさいなぁ……ほら」
「えっ?」
学ランを来てバッグを持った村野があたしの頭を触った。
「かえんねーの?」
「え?!あ、うん」
頭を、触った――――。
高杉先輩じゃない。
村野が――触ったんだ。
村野を追いかけて隣に並ぶ。
顔を見るには横を向くだけじゃダメ。
そうしても引き締まった二の腕しか見えなくて……。
だから見上げないといけない。

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