制服をサッと脱ぎ部屋着に着替える。
制服だけは…と、頑張ってハンガーにかけた。
「んー……」
あたしはまたすぐにベッドへ。
濡らしたタオルは額の上にゆっくりとのせた。
冷たさが痛い。
枕元にあった携帯を取る。
11:15と数字が並んでいた。
もうそろそろ昼ご飯だが、食欲はない。
(…寝よ)
小さなあくびをして目をつぶった。
頭に浮かんできたのは、小さく手を挙げたあいつの後ろ姿。
そして長い腕。
大きくなった手。
広くて固い体。
知らない、あいつ。
(ドキドキ…させないでよ…っ)
額にのせたタオルを触る。
心なしか、頬もほてってきた。
(バカ……)
それが諒太に言い聞かせたのか、
自分に言い聞かせたのかはわからない。
そのままあたしは眠りについた。

![100日愛 [短]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.787/img/book/genre1.png)