ちぐはぐ遠距離恋愛




制服をサッと脱ぎ部屋着に着替える。
制服だけは…と、頑張ってハンガーにかけた。



「んー……」



あたしはまたすぐにベッドへ。

濡らしたタオルは額の上にゆっくりとのせた。

冷たさが痛い。



枕元にあった携帯を取る。

11:15と数字が並んでいた。


もうそろそろ昼ご飯だが、食欲はない。



(…寝よ)



小さなあくびをして目をつぶった。





頭に浮かんできたのは、小さく手を挙げたあいつの後ろ姿。


そして長い腕。
大きくなった手。


広くて固い体。




知らない、あいつ。




(ドキドキ…させないでよ…っ)




額にのせたタオルを触る。



心なしか、頬もほてってきた。



(バカ……)



それが諒太に言い聞かせたのか、


自分に言い聞かせたのかはわからない。




そのままあたしは眠りについた。