「…………っ!!」
足が引っ張れるような恐怖感があたしを襲って、
地面に膝をついた。
「はぁ…っ」
震えてる、体―――
村野が立ち上がる。
「お前…っ」
「ねぇ、村野…」
「………」
「あたし、何された?」
風が体内に入ってきたのは、胸元のボタンが外れているから?
じゃあ、何でこうなってるの?
感覚も、記憶もある。
なのに、全く覚えていない―――感じ。
実感ない、とも言えるのかな…。
とにかく、あたしに何が起きたんだろうか。
黙り込む村野を見て、恐怖感が上昇する。
開いた胸元を思わず握りしめる。
「ねぇ…村野?…教えてよ、見てたんでしょ?」
夢なんかじゃないってことを、知りたかった。
「お前は、ちょっと遊ばれただけだ」
顔ごとあたしから逸らして言った。
「……ばれたって、何?」
「……ちょっとな」
「ちょっとって、何?」
「覚えてねーの?」
「……う、ん」
「はぁ…」
ため息をつきながら髪を掻きあげる。
あたしの好みの腕がシャツから伸びた。
「俺に言わせたいのか?」
「えっ…?」

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