「ひ……っく……っ」
涙が、止まらない。
「むら……っ」
あたしの口が途中で閉じた。
(今だけは、違う……)
言葉が、『村野』を制御する。
「…りょう……っ…たぁ……」
苦しい。悔しい。辛い。
たくさんの気持ちが混ざり合ってる。
どうにもできない苛立たさが、あたしを羽交い締めにもする。
「ふっ…怖かっ……たよ………っ」
「……あぁ」
諒太の力が強くなる。
「嫌だっ…た…ふっえっ……」
「あぁ」……
「ふぇー…っ……」
周りに諒太以外の男子がいるのを忘れた。
泣き止まないあたしに気を遣ったのか、諒太以外の男子はみんな帰って行った。
ここにいるのは、あたしと諒太だけ……。
なぜか、諒太の手の力が弱まる。
「やっ……」
あたしは顔をあげて諒太を見た。
「いか…な…いで…っ…」
(お願い。
一人にしないで…)
諒太の力が戻っていく。
「大丈夫だ…」
「……っ」
諒太の顔が、あたしの耳元に移る。
「平気だから」
片手が、頭を撫でる。
「真白………」
「…………っ!」

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