ちぐはぐ遠距離恋愛




昼休み??

昨日は舞とかとバスケして、少し口論になってそのあと…


「かおりを助けてくれました」

「わ…っ」


明るい声で微笑みながらあたしの隣に並ぶかおりちゃん。

(まだいたのか)

なんて酷いことを思ってしまった。


「あー、あれ?対したことしてないけど」

「一年生女子を襲うボールをあと数ミリのところで蹴って守ったんでしょ?」

「まぁ、うん。数ミリかどうかはわかんないけど」

「そんなマンガみたいなことしたら勇者扱いになるわな」


優香子が呆れたように言い放った。



「そうかな」

「かおりの周り、真白先輩のファンがたっくさん増えました!」

「ファン?!」


(あ、あたしの?)


考えつかない。

だってファンだよ?
そんなんになって何すんの。



「もっちろん、男子のファンも」

「ゲホッ…」


(水を)飲んでいた最中だったから、喉まで通っていた冷たい水が逆戻りしてきた。


「何やってんの真白」


彩夏がため息をつく。

咳をし続けるあたし。


「だ、…っ、男子のファン?ごほっ」

「はい」


どうってことないように頷くかおりちゃん。

涼しい顔が余計あたしを圧迫する。