ちぐはぐ遠距離恋愛




さて、それからというもの……

翌日―――――



「あ、大野先輩だー!」

「お、おはようございます!」

「えっ?あ、あぁおはよう」



(なんで、なんで、なんで??)




見かける度に手を振って来る一年生たち。



「真白先輩!」

「あ、かおりちゃん」



ハーフアップの髪型にしたかおりちゃんがあたしの肩をたたく。



「人気者ですね」

「うーん…」



喜んでいいのか悪いのか。


とにかく凄い。

廊下にいると輝く目で見つめられる。

その視線には訳の分からないような期待が込められているようで…。


「ぅぐ…っ」


変なプレッシャーがかかる。


「あ、真白」

「彩夏ー、あたし何した?」

「こっちのせりふだよ。随分人気者だね」


彩夏が周りを見渡す。


「心当たりないの?」

「そう言われても」


「うーん」と考え込むあたし。

特にはしてない。


「わかんないなー」


頭を傾げるあたしに、優香子がのり出した。


「昨日の勇者の行動じゃん?」

「勇者?」


(あたしそんな栄誉に輝くことしてない気がするけど…)


「あー、昼休みの?」


彩夏が手を叩いた。