ちぐはぐ遠距離恋愛




ピピピッ…と腋の下から音がした。



“37.6"と数字が並んでいる。


平熱が低いあたしにとっては微熱以上だ。



「帰ろうか…?荷物持ってこれる?」

「はい…たぶん」



あたしはそろそろと立ち上がる。

だけど……。



「わ…っ」

「あ!大丈夫?!」



フラフラする頭に体が持っていかれる。



「まっしー…!」



振り向くとそこにいたのは奈緒美と舞だった。



「二人とも…!」

「様子見に来たの。早退するの?」

「うん」

「じゃあバック持ってくるね」

「ありがとう」



舞と奈緒美はすぐに教室に戻っていった。



「よかった…。一人じゃ帰られなさそうね」



保健医はあたしを座らせた。



「すいません…」

「じゃあタクシーで送ってもらいましょう」



そのあと奈緒美と舞、付き添いの先生が来てくれた。



「きをつけてね」

「ありがとう。バイバイ」



そしてタクシーに乗り込み、家に帰った。