ちぐはぐ遠距離恋愛




(いい後輩もいるんだね)
としみじみ感じる。


チャイムが鳴ったから四人で教室に戻った。


「それにしても本当にカッコ良かったな」

「まだ言うか」


珍しく舞じゃなくてあたしの腕にしがみつく奈緒美。


「だって!校庭にいた誰もが拍手してたよ」

「そうだよ!みんな真白のこと見てたもん!」

「んなわけあるか」


奈緒美を振り払って先を歩く。


「あ!」

「あ?」


顔を上げると、加藤さん。


「さっきの…」


舞も気づいたみたい。


「ちょー可愛い!」


奈緒美は容姿に興味を持ったみたい。


「あ、かおりちゃんじゃん」

「依弥先輩のお友達ですか?」

「うん。あ、真白。この子加藤かおりちゃん。バド部の後輩」

「あ、バド部なんだ」

「はい!ましろ……って、大野真白先輩ですか?」

「え、うん」


それと同時に加藤さんは目を輝かせた。


「真白先輩って呼んでもいいですか?!」

「えっ?!あ、はい」


思わず敬語になっちゃった。

でも、いきなり手を握って前に出てくるんだもん。

そりょビックリだわな。



「よ、よろしくね加藤さん」



あたしの言葉に加藤さんは首を横に振った。