口ゲンカをし始めるあたし達。
その横に一年生の女子が立って話しはじめた。
最初は気にしてなかったんだけど……
「そら…っあ!!」
男子の声が聞こえたから奈緒美から顔を背ける。
「え?」
右を見ると、
サッカーボールが一年生のところに向かって空中を飛んでいる。
(このまんまじゃ、あの子達に当たっちゃう!!)
頭で理解するより先に体は動いて、
「くっ…!!」
少しジャンプをして空中で脚を振り回した。
土踏まずの上の部分にボールが当たり、反対方向に飛んでいく。
あたしはそれを確認してから地面に降り立った。
「ふぅ……」
(もう少し脚が長かったらな)
と思う。
ギリギリだった。
でも、周りからは何故か拍手。
「あ、あの!」
すぐ後ろから声をかけられる。
振り向くと一年生の女子がいた。
話しかけてきたのは凄く可愛い子で……。
「ありがとうございました!」
礼儀正しくお辞儀をしてくれた。
「あぁ、大丈夫だった?」
「はい!おかげで怪我もないです!」
「そっか。なら良かった」
あたしが微笑むように答えると一年生の女子も可愛く笑い返してくれた。

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