フッと笑みがこぼれる。
「わかってねーなお前ら」
よっこいせ、と上半身だけ起こす。
腰の痛みは引いてきた。
「真白ちゃんはちゃーんと「あれでも女子だよ」
(え……?)
俺のせりふに被さるように言ったのは、
(……汰一[たいち])
鎌瀬、汰一だった。
「何言ってんだよお前までー」
市之塚がそう言う。
「あ、いや何でもないっす」
汰一は口元をかくした。
でも、顔は心なしか赤い…。
「えー、そんなにいいかな大野」
「俺らにはわかんねーな」
山内に市之塚は口々にそういう。
あれ、
「そういや諒太がいねーな」
「あー、あいつこういうのには出てこないんですよ」
山内が恨めしそうに呟く。
「はは…。まぁわかるな」
あいつはカッコイイよ。
男の俺から見ても。
俺の次に運動神経抜群だし。
何だ?頭もいいらしいな。
俺と違って……。
背も高いし、時々優しい。
俺らの学年でも人気がある。
確か一年からもあるんだっけ?
まぁとにかく。
(真白ちゃんが惚れるのは仕方ないよなー)
なんせ幼なじみらしいじゃん。(←アオ情報)
でも最近、窓から顔を出しても諒太を見ている様子はない。
全体的に、練習内容を見ている感じ。

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