ちぐはぐ遠距離恋愛





―――高杉昂耶side―――




腰がジンジンと痛む。

起き上がることすらできない。


てか、真白ちゃん。
教室戻っちゃったし…。

(俺、おいてきぼりかよ)

とは言えやっぱり動けない俺。

今のは何の技だったんだろうか。

空手?合気道?総合なんとか??

とにかく、


(強いな、真白ちゃん。……さっすが)


って、感動している場合じゃないか。

サッカー部の後輩が寄ってきてくれた。


「コウ先輩、大丈夫ですか?」

「う……まぁ、な」

「いくら大野だからといって抱きしめちゃ、ダメですって」


市之塚が苦笑いをした。

俺もつられて笑う。


「はは…。我慢できなくて」

「先輩変態だ」


尋が冷たい目線で見る。


「お前に言われたかねーゃ」

「それにしても先輩、そんなに大野いいすか?」

「俺ツンデレ好きだから」

「危ないよこの人」

「そんな真顔で言うなよ」


まじで憐れな目をして見つめられている。


「でもなー。大野、下手したら俺らより男だぜ?」


市之塚がそう言う。


「だけど、やっぱり可愛いとこもあるんだって」


俺の言葉に、きょとんとするサッカー部。