ちぐはぐ遠距離恋愛




「「「「カッコイイーー!!!!!」」」」

「えっ」


女子があたしに集まる。


「えっ?えっ?」


働かない頭。


(何?え、何?)


高杉先輩じゃなくて、


「あ、あたし?」


自分を指差すあたしに女子が「うんうん」と頷く。

舞なんて凄い力であたしを抱きしめ続ける。


「大野って、まじ凄いんだな」


なーんて男子の声も。



(よ、よくわかんないけど、結果オーライ……??)


足元にいる先輩の存在を忘れたあたし。

女子にチヤホヤと囲まれながら教室に戻ってしまった。



「えー、真白って本当に強いんだね」

「やっぱりそこら辺の男子より全然カッコイイよ」


奈緒美が後ろにいる男子の方を見てニヤリと笑う。


「く…っ」


って、小さい悔しそうな声が聞こえた。


「そりゃあんな奴らと一緒にされちゃ困る」


あたしがそういったのを境に、女子からの人気がなぜだか急上昇。


「きゃー!カッコイイ!」

「真白、付き合おう!」

「何言ってんのよ」


馬鹿言う友達を睨む。


「だってここジャガ芋しかいないもん」

「ひっでー、女子まじ怖いわ」

「影でコソコソ言ってるお前ら、やってることそんなに女子と変わりないだろうが」


あたしの言葉にまた女子の歓声があがる。



まぁ何だ。


嫌な気分はしませんね……。