ドンッッ!!!
重苦しい音と共に先輩の体は地面についた。
はぁはぁと息を切らすあたし。
数秒、間を置いたあとみんなの時間も元に戻る。
ついでに先輩も。
「い…っ!!!」
腰を押さえてのけ反るように廊下を転がりだす先輩。
あたしは息を切らしながら目を逸らした。
「大野…」
ハッと顔を上げた時には、みんなの目線。
「う……」
(や、やりすぎた?!)
で、でも!
(いきなり抱き着いてきた先輩が悪いもん!)
「こ、これはっ、せ、正当防衛で……っ」
とはいいつつ、慌てる自分。
「大野」
「は、はい!!!」
どこからか聞こえた声に背筋を伸ばしてピシリと“きょうつけ"をした。
「「お前……」」
「す、すいませ…」
さすがに怖くて、あたしは潔く頭を下げようとした、その時だった。
「わぁ…っ!」
後ろにいたであろう舞が、後ろからあたしに抱き着く。
また体全身に力を入れようとしたけど、舞の優しい温度を感じて
あたしは慌ててそれを止めた。
でも未だに、
この状況が分からない……

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