「コウ先輩もよく飽きないよなー」
「てか俺、大野に同情するわ」
「いいなー、真白。高杉先輩にこんな熱烈アタックうけて」
「馬鹿だな、女子。大野の気持ちにもなれって」
(そうだそうだ)
と心の中で男子に賛成しながらあたしは高杉先輩の答えを待つ。
「さ、先輩。理由は?用件は?」
「えっ……と、なんだっけ?」
「ごーぉ、よーん、さーん」
カウントダウンをし始めたあたしに高杉先輩は立ち上がる。
「き、教科書借りに!」
「へぇ、何の?」
「ぶ、文法!」
「それさ、先輩に貸したっきりなんですけど?」
「え゙…っ」
「さーん、にーい、いー「あ、待った!」
立ち上がる先輩。
周りはいつものように、
「今回も大野の勝ちか」という雰囲気になっていたから、
少しざわついた。
「何ですか?」
「一か八かだ!」
そう言って、先輩は………
ギュウッとあたしに抱き着いた。