でも今のあたしは、この上ないなにかに満ちあふれている!!

これがなんなのかは、説明できませんが。

達成感に、何だか知らんけど優越感まで!
とにかく色んなものが混ざっている。

だって、面白くないのに口角が上がっている状態。


《まぁ、方法はどうあれ良かった》

「うん。彩夏、今までありがとう」

《ふふっ。じゃ、高杉先輩と頑張れ》

「えっ?」



あたしが「どういう意味?」と聞こうとしたときには、


プッ――…ツーツーツー…ッ



「切れた」


耳から話した携帯を横目で睨む。




(散々頑張ったよ?あたし)


諒太…もとい、村野を忘れることに

少なくとも三ヶ月以上はかけた!


やっと解放されるというのに、




(次は何を頑張れと……)



何を頑張れと言うんだ?!



新たな悩みに襲われ始める。


でも、何だか心が軽い。

こうなると村野がどーんだけあたしに重ーくのしかかっていたのかが分かるよ。



(くっ……あいつめ!)



ものすごく悔しい。



でも、それももう終わり。
なーにもかも、おしまい。

もう村野なんかにドキドキしたりすることもないんだ。

あたしは、自由!!!




そんなこんなで、



十年間にも及んだ
あたしの切実な、切実な、切実な!!

恋心という名の想いに、



やっと終止符がうたれたのだった……―――