ちぐはぐ遠距離恋愛




頭の中には、高杉先輩ばっかり。

(あれ、何で?)

そう思ったときに村野のことも思い出した。

何だか、



変な感覚。




村野を忘れることなんてなかった。

“思い出す"なんてこと、しなかった。




でも今、確実に忘れてた。

あたしの中から、村野は消えてた。

なんにも意識してなくて…。



好きだってこと、わかんなくなる。




(そういえば、最近そうか…)




思い返してみれば、今に始まったことじゃない。

四日前くらいからかな。



その間、あたしは―――





高杉先輩に話しかけることや、

高杉先輩をほっとけないと思ったことに、

代李と高杉先輩のメールの件………。




高杉先輩のこと、




ばっかりだ………。



高杉先輩のことを考えていると、村野のことを忘れられる。


諦めるわけじゃないけど、




なんかもう、どうでもいいかも……。




高杉先輩のこと考えていれば、





村野をあたしの中から消せる。





そしてこれが、





あたしの望んでいた自然消滅――――。





ってことは、




高杉先輩といれば、





自然消滅できるんだ……。







あたし、




村野を、諒太を……




自然消滅させた――――