ちぐはぐ遠距離恋愛




あたしは家に帰り、久しぶりに先輩にメールを送った。

内容はもちろん、



《先輩に美術資料集を貸した代李が、先輩のメアドを知りたがってます。
教えてもいいですか?》


――――代李のこと。


数分後、早くも返信が来た。


《真白ちゃんは、いいの?俺のメアドが代李ちゃんに渡っても》


「は…?」


(何であたしに聞かれたんだ?)

先輩のメアドが代李に行くこと、それが嫌?


《別に嫌じゃないですよ?てか、先輩が決めるんです》

《真白ちゃんがいいなら俺もいいや》


「いやいや…」



先輩からの返信を見てあたしは肩を落とす。

(まぁ、いいって言ってるから教えるか)


あたしは送信者を代李に変更し、先輩のオーナー情報を添付して送った。

そしてまた数分後。


《ありがとう!超うれしいよ!》


(みんな返信すんの早いな…)


あたしはそう思いながら、《どういたしまして》と返信し、携帯を置いた。