ちぐはぐ遠距離恋愛




「良かったねー!凄いじゃん代李!!」


顔を赤らめる代李にキャーキャー騒いだ遥菜が寄り添った。

代李は顔を押さえてコクコクと首を動かす。


(代李も先輩ファンだったのか……)


「真白!」

「うん」

「美術資料集、忘れてくれてありがとう!」


本当に幸せそうに微笑む代李。

(そんなにいいことしたつもりはないんだけど)と思う。



―――――次の日


「ね、真白?」

「え?」


代李はあたしによく話しかけて来るようになった。


「先輩のメアド持ってる?」

「あ、うん」

「ちょうだい!」

「先輩に、確認とってからでいいかな?」


個人情報なわけだし、こういうのはきちんとしておきたい。


代李は一瞬、顔を歪ませた。

―――(え?)

でもまたすぐに戻して、大きく頷く。


「分かった!待ってるね!」