ちぐはぐ遠距離恋愛




「先輩……っ」

「ん?」

「あの、見てますから」

「えっ」

「頑張れ…」


小さく、呟くように。




あたしはなぜか熱を持つ顔を伏せて言った。


大きな手が、頭を包む。



「あぁ」



心臓が、上に引っ張られる。

村野とは違う…。



村野とは違う、安心感。

あたたかさ――――。




子供のように笑った先輩の笑顔が、鮮明に記憶されていく。




走っていく先輩を、いつまでも目で追うあたしがいる。






『新しい恋でも見つけたら?』



彩夏の声が響いた。




「新しい、恋……か」




動きはじめた歯車。





たぶんそれは、






止まることを知らないんだ。