鎌瀬に汐那先輩。
どちらにせよ、あたしは高杉先輩に声をかけなきゃいけないらしい。
「……ったく」
(先輩も先輩。どんだけ心ピュアなんだよ)
ため息をついて高杉先輩を待つようにドアの前にたった。
一人、また一人とサッカー部が前を通る。
山内と市之塚がふざけながら走っていく。
(男って、精神年齢低いよなー)と、しみじみ思う。
そしてまた、タタタッと音を立てながら影が見えた。
猫背で、やる気なさそうに…走ってきたのは
「……高杉先輩」
目に入ると同時に、あたしはそう口にした。
ピタリと、止まる足。
「真白ちゃん…」
まるでお母さんを見るような幼い子供の顔で、あたしと目があった。
「この前は、すいません。先輩なのに、叩いちゃって」
小さく頭を下げる。
「その、頑張って下さい」
「えっ」
「あたし別に、先輩を嫌ったわけじゃないですから」
「本当に?」
「はい。あの時はしつこかったから、つい手が出ちゃって…」
あたしが言い終わると同時に、先輩があたしに被さった。
――――――「は?」

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