ちぐはぐ遠距離恋愛




笑いが止まらないあたしに、鎌瀬が眉を歪ませた。


「なぁ何でさっきから笑ってんだ?」

「いや、だって…鎌瀬っ、なんかかわいい」

「はぁ?かわいいって、馬鹿じゃねえの?」

「ふはッ、悪い意味じゃないよ?―――鎌瀬って、話しやすいね」

「え?」

「サッカー部、鎌瀬も頑張れ」



このままいると笑いが止まらなくなりそうだから、あたしはその場を去った。


無愛想な顔してんのに、表情がコロコロ変わるし、

焦った感じが、凌にそっくり。



(ダメだ、思い出しただけで……)



凌と鎌瀬が被る。

あたしの笑いは納まらなさそう。


にやける顔を抑えて、部活を始めた。



楽器を組み立て、あたしはクラを持って第一音楽室を出た。

あたしたち木管が練習する視聴覚室は、廊下を挟んだ目の前。


四歩で到着。



のはずが……




「ファイオー」

「「ファイオー!」」


ズタズタっ!!
ドンドンっ!!



その廊下をサッカー部が走り抜ける。