ちぐはぐ遠距離恋愛




「幼なじみくんの名前。……もしかして、村野諒太くん?」


ガタンっ――ドンッ!


見事に椅子から転げ落ちたあたしを見て葵先輩は「真白ちゃん?!」と声をあげた。


「何で知って「イケメンだよね」

「はぁ?!?!?!」


(諒太が、イケメン……っ?)

開いた口は塞がらない。


そんなとき、部長のゆかり先輩の声で休憩が終わり実奈先輩や舞が戻ってきた。


「れ、練習練習!」


葵先輩があたしの背中を押して座らせた。

ハッと気づいた自分も口を閉じこんで練習をし始める。


1時間後―――


「休憩でーす」とゆかり先輩がちょこっと顔を出して行った。


「「疲れたー」」


舞と葵先輩が楽器を置く。

あたしも立ち上がって楽器を置いて窓を見た。



今日は、サッカー部…。



「何々真白ちゃん、コウ見てるのー?」

「は?何言ってんですか先輩。見てませんよ」



話しかけて来たのは実奈先輩で―――。

あたしの言葉を聞いた先輩は頷いた後、

窓から顔を出した。


そして




嬉しそうに――――






「あ、村野くんだー」