ちぐはぐ遠距離恋愛




何事にも、怖じけず――だ。




あたしは次の日、遥菜に声をかけた。


「あ、遥菜」

「真白、どうしたのー?」

「いや、なんかさ…あたし避けられてる気がしてたんだけど……」

「えー?ウチが真白を?避けてなんかないよー」


笑顔でいう遥菜。

見るかぎり嘘なんかついてなさそうだった。

あたしの勘違い、だったかな。


「そっか、そうだよね!ごめん遥菜。変なこと言っちゃって」

「ううん。平気だよー」


次は教室移動だ。

少人数制だからクラスが二つに別れて授業を受ける。

あたしと遥菜はクラスが違うから、向かう教室も違う。


「じゃあウチ行くねー」

「うん。また後でねー」


遥菜は手を振りながら一緒の友達と階段を降りていく。


「あ、いた。まっしー!」

「舞。ごめんごめん。行こうか」


あたしは舞と一緒。
後ろから走って来る舞を見ていた。



「あ、真白ー」

「え?」


声のした方を向くと遥菜がこちらに向かって声を出していた。


「なーにー?」

「あのさー、村野のこと、どーすんーのー?」



大きい声だけど、多分あたしたち以外には聞こえてない。


(てか、なんで諒太が出て来んの?)


「いきなり何ー?」

「諦めるって話もあったよね」


ドキッ


「う、ん…」

「諦めるのー?」

「…………頑張ってる最中だよ」

「そっか」