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｢何か、習い事でもやってた？｣
｢え？あ、はい。｣
｢俺サッカーしかやってない馬鹿だからなぁ｣
｢でも体育祭とか、断トツで勝ってましたよ｣
｢あぁ、それはあいつらが低レベルなだけ｣
｢でもその割には必死でしたよね｣
あたしの質問に先輩はちょっと目を逸らす。
(……？）
｢あ、れはだな。その何というか……｣
｢はぁ｣
｢……村野に、抜かされたくなかったから、だ｣
｢村野って、諒太？｣
先輩は顔をほんの少し赤くさせて頷いた。
｢何で諒太？｣
｢あいつは俺がいなかったら学校１足早いし、運動神経いいし…｣
｢あ、プライド？｣
｢別にそういうわけじゃ…｣
｢え？じゃ、何のためですか？｣
先輩は顔ごと逸らした。
しかも思い切り…。
(なんか、ムカつくんですけど）
｢先輩？｣
｢お前のためだよ｣
｢は？｣
｢だから、村野にスポーツも真白も取られたくなかったからだ｣
む ら の に スポーツも ま し ろ も
と ら れ た く な か っ た か ら だ ？？？
