ちぐはぐ遠距離恋愛




あたしの声も虚しく、彩夏は脱衣所のドアをバタリと閉めてしまった。


「開けろ!おい!」


外側で押さえてるのかドアノブすら回らない。


「ちっ」


あたしは仕方なく風呂に入った。

眠気もシャッキリ消えてしまったあたしは脱衣所へ。


ご丁寧に―――

パジャマの代わりに見たことのない服が重ねられていた。

あたしはしぶしぶそれを着て不機嫌な態度で自分の部屋へ。


「あ、きたきた」


彩夏がいたのは母さんのドレッサーの前。

左手にドライヤー、右手にブラシとワシャワシャしたゴムを持って…



「さぁ座って?」



目だけがその笑いの表情についていけない顔をしてドレッサーを示した。


「…………」


冷や汗のようなものを感じ、黙りながらあたしもぎこちなく笑った。



ドライヤーで乾かされた後、彩夏はあたしに「ちょっと下向いて」と首を押さえられた。


彩夏は器用にあたしの髪をまとめあげていく。

(首がいたい……)

少し首を動かしたその時。



「動くなぁ!!」



ブラシでバコッと肩を殴られた。



「動いちゃダメだよ?真白ちゃん」


(あれ、この人なんか性格変わってない?)


気のせいだと自分に言い聞かせつつ、彩夏に従うこと十分後。