《祭ん時もチョコバナナ食ってたし、真白ちゃんの隣を通ったりするときよくお菓子とかの話してたから
…好きなんだと思って》
――《もしかして違う?》と受話器の向こうで呟く先輩。
鼻の奥が、少しツンとした。
彩夏と、優香子(あと、時々将ちゃんも)だけだった…。
(あぁ…この人は、あたしのことをホントによく見てくれているんだなぁ)
考えてみると、あたし…あんまりそういうことしてないかもしれない。
彩夏と優香子は別として…。
奈緒美とか舞とか、依弥の好きなもの。
本人から聞いて分かったことが多い。
好きな人、となると少し意識するのかもしれないけど
あたしの場合は何か一緒に育ってきたようなもんだから…
そんなことしなくても理解しちゃってた。
でも―――
先輩の観察力、凄いと思える。
あたし、
(先輩にこんなに想ってもらってたんだ…)
“幸せ"
―――だと思える。
「先輩……」
《ん?》
頭の中で考えている最中に、日にちや時間など具体的なことは決まっていて…。
あたしが口を開いたのはもう最後の最後。
先輩が《おやすみ》と言い終えたくらいだった。
「ありがとう…」
《えっ…あ、うん》
「楽しみに、してますね?」
自然に上がった口角。
あたしは先輩の返事も聞かずに通話終了ボタンを押した。
約束の日は、あと二日後――

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