「でもあの二人、美男美女でお似合いなんじゃなかった?」
強がるあたしは、
それを知った時でさえ涙も何も流さなかった。
ただ必死に、
諒太が離れて行かないように…細い糸を掴んでた。
「嘘だよあんなん。俺は真白ちゃんの方が可愛いと思う」
「え…っ」
「真白ちゃんの方が絶対お似合いだよ。
あんな子を好きになった諒太の趣味は相当悪いね」
将ちゃんはあたしの頭を撫でた。
諒太とは違う、また大きい手だった。
「はぁ、可愛いな真白ちゃん。あんな趣味の悪い諒太には勿体ないよ」
「………っ、何言って…!」
あたしは言葉を最後まで言えなくて、そんな時だった。
「誰の趣味が悪いって?」
ドアが開いて、人影が現れた。
「「り、諒太…」」
顔を少し引き攣らせた諒太は、あたしの部屋に入ってくる。
それをみた将ちゃんはニヤリと口角を上げた。
「何しに来たの?」
「兄貴を呼びに来たんだよ」
諒太があたしの目の前にたつ将ちゃんに手を触れようと伸ばした、
その瞬間。
「え…っ」
将ちゃんがあたしに覆いかぶさる。
諒太の目が大きく開いた。
「将ちゃ……?!」
「俺達今から良いところだから」
将ちゃんはそう言ってあたしを抱く力を強くした。
諒太の手が、拳になる。
「悪いけど、出てってよ。別に急な用事じゃないんだろ?」
将ちゃんはあたしの胸元に唇を近づけた。
「や、やだ…っ!ちょ、将ちゃ、…っ!」
あたしの体は動くことを知らなくて、力が入らない。
頭が可笑しくなりそうだ。
目がグルグルする。
触れるか触れないかで、将ちゃんの動きは止まった。

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