(長編)初めての恋~永遠に~

「透…どうしたの?何かあった…?」


麗は、母親が子供の頭をなでてくれるように、透の頭を優しくなでていた。


「麗、俺…ずっと一緒にいてやる。守ってやるって言ったけど、できなくなった…」


聞いた瞬間、血の気がひくような感じがした。


「親父の転勤で、九州に引っ越すことになって…」


「う…嘘でしょ…」


「ごめんな…麗…」


「いつ?」


「高校の準備もあるから、早かったら今月末…」


「やだ…そんなの嫌だ……」


麗は泣き出してしまった。


遠すぎる、北から南なんて中学生の自分達には、とんでもない距離だった。