麗は持っていたハンカチで涙を拭くと、笑顔を見せた。


麗もまた同じことを考えていた。


透と会えたのは嬉しい…でも前に戻る事はできない。


時は確実に流れている…


空白の時間がある二人に、初恋の相手というだけで、今は何を求めることができるのだろう。


「麗、まだ帰らなくて大丈夫?俺、夕飯まだで…もし迷惑じゃなかったら、一緒に…その…」


「大丈夫よ~透その話し方変わってないね。本当に透なんだ~」


「変わってないか?俺って成長してないってこと?」


声を出して笑った。


久しぶりに、麗は本当の笑顔で笑った気がしていた。