歩美は、麗のために名前を調べてくれていた。


新藤 龍也


調べてどうなるわけでもないが、歩美も龍也には興味があるらしい。


学年が違うとめったに会うことはなく、昼休み、放課後などに見かけるだけだった。


でも麗は、見かけるたびに、透と重なってドキッとする。


ただ遠目から眺めるだけの龍也に恋していたのではなかった。


透の面影が重なっているだけ…


でも、見ているだけで自分の心が癒される気がしていた。