(長編)初めての恋~永遠に~

帰り道、自然と足が透の家に向かっていた。


一緒に歩いた道が、とても懐かしくて…


透の笑顔をちょっとだけ見たくて…


透の家の前に来ると、すでに空家になっていた。


家の中には、カーテンも何もなく、家具のない部屋が全部見渡せた。


もう、家財だけ送ったのかな?


と家の玄関にたたずんでいると、隣に家から人が出てきた。


「秋風 麗さん?」


と聞かれ、麗はこくりとうなづいた。


少し大きめの紙袋を差し出しながら、その人は言った。