君が好き。


「ごめん、君。
ちょっと彗 借りるよ。」


塔貴にそう言い残して
流成くんは、泣き出した私の手首を掴み
レストランを出た。


近くにあった公園に入り
ベンチに座らされる。


流成くんはベンチには座らず
私の目の前にしゃがんだ。


どちらも、何も言わない。

何を言えばいいのか、わからない。


無言の気まずい空気が流れる。