「ユウ~あいつら拾って帰ろうぜ」
教室のドアにもたれながら八平が手招きする。
「うん」
棗、捺喜、水歌達を誘ったが全員用事があるからと断られ、八平、遊時だけで帰ることになった。
「ねぇ、八平と2人で帰るのって久しぶりだね」
「んあぁ、そーだなー・・・いつも棗とかいたしなー」
「ちょっと嬉しいな・・・」
「ホントお前変ってるよな」
「へへ、そうかなぁ?」
八平に秘密で裾軽く掴んだ。
「ったくよー大人ってウザいよなー」
「え?そーかなぁ」
「だってよーいちいち文句つけてくるし、ちょっとのことですぐ怒るジャン?」
「まぁ・・・」
「あーぁ、大人のいない子供だけの国があったらいいのに」
八平が気だるそうに髪をボリボリかいた。
「ふ~ん・・・」
「まぁ・・・無理だけ・・・」
「ねぇ」
遊時が八平の言葉を妨げた。
「んあ?」
「もし・・・もしその願いが叶ったら・・・嬉しい?」
「何言ってんだ?まぁ・・・ホントに叶ったらそりゃ嬉しいだろーな」
シシッと頭の後ろで腕を組んで笑った。
そうか・・・。
遊時が不気味に笑った。
「な・・・なんだよ?」
「いや・・・なんでもない」
八平に微笑んで見せた。
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