「もう!笑わないでよー」
「可愛いから笑ったんっすよ」
「またまた~」

私はドキドキしてるのを見抜かれないように軽く威智悟くんを押した。

「何何~?」
「何2人でイチャついちゃってんの~?」

と優那ちゃん達。

「イチャついてないよっ」
「怪しいっすね~」

と山田くん。

「それより、花火始めようぜ?」

と威智悟くんがナイスフォロー。
こう頭がすぐ回転する所好きだなぁ…。
私はそんな威智悟くんに見とれてしまう。

「先輩、涎出てますよっ」

と優那ちゃんが囁いた。

「え!?嘘っ!?」

私は急いで口元を拭う。

「嘘で~す。先輩がデレデレしてるから苛めたくなっちゃったんです♪」
「も~」

そして、皆で花火で騒いだ。

「「「やめてよ~っ」」」

男子3人が無茶な吹き出し花火やネズミ花火をしたり手持ち花火を振り回したりで、子供な男子達を女子3人で呆れながらも微笑ましく見ていた。

沢山花火して騒ぎ疲れた頃、

「そろそろ10時だね」

棗が言った。

「ホントだ」

楽しすぎて真っ暗になってること気づかなかった。

「補導される前に終わろっか」

山田くんが言った。
皆で手早く片付けると、

「じゃ、解散っ。じゃあね~」

棗カップルは行ってしまった。

「じゃあ俺らも帰ります。じゃあな」
「春間くん、美寛先輩、バイバイ☆」

優那ちゃんカップルも行ってしまった…。

「私も帰らなきゃ。バイバ…」

ぱしっ。

私が歩き出そうとすると、バイバイを言い終わらないうちに、威智悟くんに手首を掴まれていた…。

「どしたの?」
「先輩、バカっすか?」
「何よ急にぃ」

いきなり言われるといくら威智悟くんでも頭に来ちゃう。

「こっから1人で帰れるとでも思ってんっすか?」
「え…?」
「俺の後ろに乗って帰るに決まってんじゃないっすか」
「そんな…、何回も乗せて貰ったのに悪いよ…。それにもう遅いし」
「駄目っすよ」
「大丈夫だよ?威智悟くん家に遅れたら困るでしょ?」
「俺、門限とか無いっすから。そんなことより先輩女の子っすよ?自覚してますか?」
「性別くらい、自分で判ってるよ」