Strawberry Junior

「はい!じゃあスピードアップしますよ!」

威智悟くんの自転車は軽やかにコンビニへ向かった。

「先輩!普通に軽いっすよ?ちゃんと食べてんすか?」
「食べてるよ!」

私はそう答えながらあんまりにも心地いい威智悟くんの背中に抱きついてしまった…。

「先輩…、大胆っすね…」
「えっ…!?」

私は急いで威智悟くんから離れた。

「いや、なんでもないっす。遠慮しないでちゃんと掴まって下さい」
「うん…」

私はまたギュッてした。

「あぁっ…」

威智悟くんが急に声を出した。

「どしたの!?」
「すみませんっ。大丈夫っす」
「ふふっ。変なの」

私達はコンビニに着いた。

「ねぇ威智悟くん、どれにする?」
「やっぱり、いっぱい入ってるのがいいっすよね?」
「うん♪じゃあこれかな?」

私は一番大きいのを指した。

「そうっすね。蝋燭も入ってますしね」

レジに向かい、私が支払おうとすると、

「俺が払いますから」

と威智悟くんが制した。

「だめだよー。さっきは威智悟くんに奢って貰ってばっかりだもん。これくらい私払えるよ?」
「俺が払いたいんです」
「そ、そう…?」
「はい!」

私達は買い終わり、コンビニを出た。

「じゃあ、後ろ乗って下さいっ」

威智悟くんが荷台に促す。

「うんっ」
「今度は海に行きますよー?」
「レッツゴー♪」
「ははっ。俺、先輩といるとなんかテンション上がります♪」
「私もー」

と言いながらドキドキしてる私。
こんな密着してる時に(私が威智悟くんの腰に抱き着いてる状態)言われたら顔が破裂しちゃう!
威智悟くんの背中で幸せを噛み締めていると、

「はい、到着っす」

知らない間にあっという間に海に着いていた。

「おっ、来た来た!」

と棗彼氏こと山田くん。

「おいでー。始まっちゃうよー?」
「うん!」
「行きましょっか」
「うん♪」

私達は皆がいる砂浜へ向かった。

「っ!」

私はいきなり砂に足をとられ躓いてしまった。

「大丈夫っすか?」

威智悟くんが痩けそうな私を支えてくれた。

「ありがとう。大丈夫だよ」
「先輩、運動神経いいのにどんくさいっすね」