Strawberry Junior

「うん。ちょっとしか話したことなかったけど、いい人だなぁって思ってたから…」
「いいなぁ…。私も一度でいいから告られてみたいっ」
「美寛もいつか好きになってくれる人が現れるよ。てか、もしかしたらもう居るかもね?」
「いないよっ?」
「まだ判んないよ?春間くん、既に美寛のこと好きかもよ…?」
「だから、無いって」

「おはようございます」

私達が台の近くで盛り上がってると、威智悟くんが気付かないうちに登場していた。

寝起きの顔だ!可愛い~!!寝癖も付いてる~♪

「あ、寝癖バレちゃいました?」

私の目線に気付いた威智悟くんが、寝癖を抑えながらはにかんだ。

かっわいい~!!可愛すぎる!!

「寝坊して、直す時間無くて…」

へへ、なんて言ってる。
確かにいつも威智悟くん、ワックス付けてるけど、そんなの付けなくてもカッコいいんだから♪

「春間くん、いつからここにいたの?」

棗が聞いた。

ホントだ…。さっきの会話聞かれたら不味いよ…。

「今来たとこっすよ?」

良かったぁ。
ふ~っと私達が安堵すると、

「俺が聞いちゃ不味い話でもしてたんっすか?」

ギクッ。
威智悟くん、鋭っ。

「そんなことないよ?」
棗が即答してくれた。ナイス!

「うん。昨日楽しかったねって話♪」
「ああ、俺もめちゃくちゃ楽しかったっす」
「なら誘って正解だったね」

と、棗。

「うん!!」

私達が微笑み合っていると、威智悟くんはその場を離れて友達のもとへ行った。

ほっ。
「棗、ありがとう」
「いいえ♪」

棗が自然に応えてくれたお陰で威智悟くんに怪しまれずに済んだ。ホント感謝。

「ねぇ美寛、今度は夏祭りに誘ってみたら?確か来週だったよね?」
「あぁ、確かに来週あるね!」
「どうする?また昨日と同じメンバーにする?」
「そうだね。他の人いないもん」
「じゃあ早めに誘いなさい?」
「うん!」

私は夕方、来週の夏祭りについて威智悟くんにメールした。

返事は勿論OK。

やったぁ!浴衣、ちゃんと可愛く着なきゃ。

そして到頭夏祭り当日。
いつも下ろしてる髪を今日は頑張ってお団子にセット。そしてあまり着なれない浴衣も何とか着れた。