「それって…」

えっと…どっかに行くのに付き合って、とかじゃないよね…?

「勿論、カレカノとして…」

私の心を読み取ったかのように言った。

「私も、幸典のこと去年までは恋愛感情で好きだったよ?でも…、今は違う…。幸典のこと、大好きだけど、もう…、恋愛感情じゃないの…。ごめんなさい…」
「そうだったのか…」
「でも!!これからも友達でいてくれる?」
「え!?いいのか!?そんなの俺のほうが頼みてーくらいだよ」
「本当!?私幸典のこと、友達としてホントに大好きだから…」
「マジ!?そう言ってくれるだけで嬉しいよ。マジ感謝!!」

良かった…。もう駄目かと思った…。

「俺達、一時期両想いだったんだな…」
「え?」
「俺…、実は中1の時からずっとお前のこと好きなんだ…」
「中1!?…私達が知り合ったのは中3だよね…?」
「うん。中1の最初はクラスが大分離れてたから、美寛の存在なんて知らなかった…。でも…、ある日、美寛が俺のクラスに、友達を訪ねて来たんだ。そして俺はその時、お前に一目惚れした…」
「そうだったんだ…」

幸典は懐かしそうに続けた…。

「明るくて、笑顔が可愛くて、それでいて、キャラがすげー面白い…」
「そんなことないよ…」
「そして、中2でクラスが隣になって、体育が同じで、美寛の姿をいつも見てた。どの種目でも完璧にやりこなして、体力テストで余裕の満点…。俺、スポーツ大好きだし、スポーツを楽しそうにしてる、元気なお前が好きだった…」
「そんなにスポーツ好きに見えてた?」
「うん…。それに美寛てさ、中学から体力変わってねぇみたいだし…」
「そう…?」
「うん。さっきだって、男の俺を突き飛ばしたし(笑)」
「笑わないでよぉ…」
「だってさ、普通の女の子なら、いくらヘタレでも突き飛ばせねぇって(笑)」
「普通じゃなくて悪かったね!」
「俺…、美寛のそういうトコが好きなんだ…」
「幸典…」
「俺…、振られたけど、いい返事貰えて良かった。お前を好きになって良かった…。これからも好きでいいか…?」
「勿論♪」
「じゃあまた会おうな」
「うん。バイバイ」

私達はそう言って別れた。